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高スループット VPN の構築

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高スループット VPN の構築

ラボ 1時間 universal_currency_alt クレジット: 7 show_chart 上級
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GSP062

Google Cloud セルフペース ラボ

概要

このハンズオンラボでは、安全で高スループットの VPN を作成して速度をテストする方法を説明します。

Google Cloud と他のクラウド / オンプレミス システムとの間の安全な通信の確保は、一般的かつ極めて重要なニーズです。幸い Google Cloud では、この目標を達成する安全なインターネット プロトコル セキュリティ(IPsec)方式のバーチャル プライベート ネットワーク(VPN)を簡単に作成できます。必要なスループットが 1 つのトンネルで得られない場合、Google Cloud は、トラフィックを複数のトンネルにスムーズに分散して帯域幅を追加します。

目標

VPN を作成する

  • Google Cloud ネットワークをシミュレートする cloud という名前の Virtual Private Cloud(VPC)と、外部ネットワークをシミュレートする on-prem という名前の VPC(オンプレミス)を作成します。
  • cloud VPC の VPN ゲートウェイ、転送ルール、アドレスを作成します。
  • 新しい VPN 用のトンネルを形成し、それを通過するようにトラフィックをルーティングします。
  • on-prem VPC 用に VPN 作成プロセスを繰り返し、2 つ目の VPN を作成します。

VPN をテストする

  • Compute Engine を使用して、スループット負荷テスト用の仮想マシン(VM)を作成します。
  • iperf を使用して単一の VPN のスループット速度をテストします。

前提条件

タスク 1. cloud VPC の作成

このセクションでは、次の作業を行います。

  • クラウド本番環境ネットワークをシミュレートする VPC を作成します。
  • 一般的なタイプのトラフィックが VPC を通過できるようにします。
  • ホストをデプロイするためのサブネットを作成します。
  1. Cloud Shell を起動したら、次のコマンドを実行することにより、cloud という名前のカスタム VPC を作成して Google Cloud プロジェクトに関連付けます。
gcloud compute networks create cloud --subnet-mode custom

この VPC では、デフォルト以外の IP アドレス指定を使用できますが、デフォルトのファイアウォール ルールは含まれていません。

  1. 負荷テストの際は安全なシェルを使用して VM と通信する必要があるため、次のコマンドを実行して SSHicmp を有効にしておきます。
gcloud compute firewall-rules create cloud-fw --network cloud --allow tcp:22,tcp:5001,udp:5001,icmp
  1. 次のコマンドを実行して、この VPC 内にサブネットを作成し、リージョンと IP 範囲を指定します。
gcloud compute networks subnets create cloud-east --network cloud \ --range 10.0.1.0/24 --region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}}

このソリューションでは、10.0.1.0/24 リージョンを使用します。

タスク 2. on-prem VPC の作成

このセクションでは、on-prem VPC(または、cloud に接続するネットワーク)のシミュレーションを作成します。実際にはすでにリソースは存在しますが、トンネルを作成して構成を検証する目的で、次の手順を実行します。

  1. Cloud Shell で次のコマンドを実行することにより、on-prem という名前の新しいカスタム サブネット VPC を作成してプロジェクトに関連付けます。
gcloud compute networks create on-prem --subnet-mode custom
  1. 負荷テストの際は安全なシェルを使用して VM と通信する必要があるため、次のコマンドを実行して on-prem VPC 内のホスト用に SSHicmp を有効にしておきます。
gcloud compute firewall-rules create on-prem-fw --network on-prem --allow tcp:22,tcp:5001,udp:5001,icmp
  1. 次のコマンドを使用して、リージョンに対応するサブネット接頭辞を指定します。
gcloud compute networks subnets create on-prem-central \ --network on-prem --range 192.168.1.0/24 --region {{{project_0.default_region |REGION}}} 注: この例では、「192.168.1.0/24」を リージョンに割り当てます。 サブネットワークとファイアウォール ルールを備えた 2 つのカスタム VPC を作成します。

タスク 3. VPN ゲートウェイの作成

環境ごとに、安全な外部通信のための VPN ゲートウェイが必要です。次の手順で cloud VPC と on-prem VPC の初期ゲートウェイを作成します。

  1. Cloud Shell で、on-prem VPC と リージョンに on-prem-gw1 という名前の VPN ゲートウェイを作成します。
gcloud compute target-vpn-gateways create on-prem-gw1 --network on-prem --region {{{project_0.default_region |REGION}}}
  1. 次に、cloud VPC と リージョンに cloud-gw1 という名前の VPN ゲートウェイを作成します。
gcloud compute target-vpn-gateways create cloud-gw1 --network cloud --region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}}

タスク 4. ローカル ネットワークと Google Cloud ネットワーク間のルートベースの VPN トンネルを作成する

VPC 外部のシステムから通信できるよう、それぞれの VPN ゲートウェイには静的な外部 IP アドレスが必要です。これから、cloud VPC と on-prem VPC で IP アドレスとルートを作成します。

  1. Cloud Shell で、cloud-gw1 VPN ゲートウェイの IP を割り当てます。
gcloud compute addresses create cloud-gw1 --region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}}
  1. on-prem-gw1 VPN ゲートウェイの IP を割り当てます。
gcloud compute addresses create on-prem-gw1 --region {{{project_0.default_region |REGION}}}
  1. ここで、後のコマンドで参照しなくてすむようにゲートウェイのアドレスを保存します。

cloud-gw1 ゲートウェイ用:

cloud_gw1_ip=$(gcloud compute addresses describe cloud-gw1 \ --region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}} --format='value(address)')

on-prem-gw1 ゲートウェイ用:

on_prem_gw_ip=$(gcloud compute addresses describe on-prem-gw1 \ --region {{{project_0.default_region |REGION}}} --format='value(address)')
  1. 次に、cloud VPC で IPsec の転送ルールを作成します。両方向で転送ルールを作成する必要があります。

cloud-gw1 からカプセル化セキュリティ ペイロード(ESP)プロトコルを転送します。

gcloud compute forwarding-rules create cloud-1-fr-esp --ip-protocol ESP \ --address $cloud_gw1_ip --target-vpn-gateway cloud-gw1 --region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}}

cloud-gw1 から UDP:500 トラフィックを転送します。

gcloud compute forwarding-rules create cloud-1-fr-udp500 --ip-protocol UDP \ --ports 500 --address $cloud_gw1_ip --target-vpn-gateway cloud-gw1 --region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}}

cloud-gw1 から UDP:4500 トラフィックを転送します。

gcloud compute forwarding-rules create cloud-fr-1-udp4500 --ip-protocol UDP \ --ports 4500 --address $cloud_gw1_ip --target-vpn-gateway cloud-gw1 --region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}}
  1. 同じ方法で、on-prem VPC で IPsec トンネルのファイアウォール転送ルールを作成します。このステップにより、IPsec トンネルがファイアウォールの外に出られるようになります。

on-prem-gw1 から ESP プロトコルを転送します。

gcloud compute forwarding-rules create on-prem-fr-esp --ip-protocol ESP \ --address $on_prem_gw_ip --target-vpn-gateway on-prem-gw1 --region {{{project_0.default_region |REGION}}}

on-prem-gw1 から IPsec トンネルの確立に使用される UDP:500 トラフィックを転送します。

gcloud compute forwarding-rules create on-prem-fr-udp500 --ip-protocol UDP --ports 500 \ --address $on_prem_gw_ip --target-vpn-gateway on-prem-gw1 --region {{{project_0.default_region |REGION}}}

on-prem-gw1 から暗号化されたトラフィックを伝送する UDP:4500 トラフィックを転送します。

gcloud compute forwarding-rules create on-prem-fr-udp4500 --ip-protocol UDP --ports 4500 \ --address $on_prem_gw_ip --target-vpn-gateway on-prem-gw1 --region {{{project_0.default_region |REGION}}} 2 つの VPN ゲートウェイと必要な転送ルールを作成します。

通常は、次のステップでトンネルの on-prem-tunnel1cloud-tunnel1 を作成、検証する際に使用するシークレットを生成する必要があります。シークレットを作成して安全に保存する方法の詳細については、Secret Manager のコンセプトの概要ガイドをご覧ください。ここでは、文字列 "sharedsecret" を使用します。

ローカル ネットワーク用のトンネル on-prem-tunnel1 と、クラウドベースのネットワーク用のトンネル cloud-tunnel1 を作成します。それぞれのネットワークに VPN ゲートウェイが必要であり、シークレットが一致する必要があります。次の 2 つのコマンドで、[MY_SECRET](本番環境のシナリオでは生成したシークレットで置き換える)を "sharedsecret" で置き換えてください。

  1. on-prem から cloud への VPN トンネルを作成します。
gcloud compute vpn-tunnels create on-prem-tunnel1 --peer-address $cloud_gw1_ip \ --target-vpn-gateway on-prem-gw1 --ike-version 2 --local-traffic-selector 0.0.0.0/0 \ --remote-traffic-selector 0.0.0.0/0 --shared-secret=[MY_SECRET] --region {{{project_0.default_region |REGION}}}
  1. cloud から on-prem への VPN トンネルを作成します。
gcloud compute vpn-tunnels create cloud-tunnel1 --peer-address $on_prem_gw_ip \ --target-vpn-gateway cloud-gw1 --ike-version 2 --local-traffic-selector 0.0.0.0/0 \ --remote-traffic-selector 0.0.0.0/0 --shared-secret=[MY_SECRET] --region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}}

これで、ゲートウェイが作成されてトンネルが構築されたため、サブネットから 2 つのトンネルを通過するルートを追加する必要があります。

  1. on-prem VPC から cloud 10.0.1.0/24 範囲へのトラフィックをトンネルにルーティングします。
gcloud compute routes create on-prem-route1 --destination-range 10.0.1.0/24 \ --network on-prem --next-hop-vpn-tunnel on-prem-tunnel1 \ --next-hop-vpn-tunnel-region {{{project_0.default_region |REGION}}}
  1. cloud VPC から on-prem 192.168.1.0/24 範囲へのトラフィックをトンネルにルーティングします。
gcloud compute routes create cloud-route1 --destination-range 192.168.1.0/24 \ --network cloud --next-hop-vpn-tunnel cloud-tunnel1 --next-hop-vpn-tunnel-region {{{project_0.default_region_2 | REGION2}}} 2 つの VPN トンネルを作成します。

タスク 5. VPN 上のスループットのテスト

この時点で、on-prem VPC と cloud VPC との間に安全なパスが確立されました。スループットをテストするには、iperf を使用します。これは、ネットワーク負荷テスト用のオープンソース ツールです。テストを行うには、トラフィックの送信環境と受信環境のそれぞれに VM が必要です。次に VM を作成します。

単一の VPN の負荷テスト

ここでは、cloud VPC 用に cloud-loadtest という名前の仮想マシンを作成します。OS には Debian Linux イメージを使用します。

注: 既存のプロジェクトがある場合は、このステップを省略して既存のリソースを使用できます。VM の帯域幅は vCPU 数 x 2 Gbps なので、少なくとも 4 個の vCPU が必要です。
  1. 以下のコマンドを実行します。
gcloud compute instances create "cloud-loadtest" --zone {{{project_0.default_zone_2 |ZONE2}}} \ --machine-type "e2-standard-4" --subnet "cloud-east" \ --image-family "debian-11" --image-project "debian-cloud" --boot-disk-size "10" \ --boot-disk-type "pd-standard" --boot-disk-device-name "cloud-loadtest"
  1. on-prem VPC 用に on-prem-loadtest という名前の仮想マシンを作成します。この例では cloud VPC の OS と同じ Debian イメージを使用しています。既存のリソースがある場合はこのステップを省略します。

以下のコマンドを実行します。

gcloud compute instances create "on-prem-loadtest" --zone {{{project_0.default_zone |ZONE}}} \ --machine-type "e2-standard-4" --subnet "on-prem-central" \ --image-family "debian-11" --image-project "debian-cloud" --boot-disk-size "10" \ --boot-disk-type "pd-standard" --boot-disk-device-name "on-prem-loadtest"
  1. コンソールかコマンドラインを使用して各 VM への SSH を開始し、次のコマンドラインを使用して iperf のコピーをインストールします。
sudo apt-get install iperf
  1. on-prem-loadtest VM で、次のコマンドを実行します。
iperf -s -i 5

5 秒ごとにステータスを報告する iperf サーバーが VM 上に作成されます。

  1. cloud-loadtest VM で、次のコマンドを実行します。
iperf -c 192.168.1.2 -P 20 -x C

20 のストリームがある iperf クライアントが 1 つ作成されます。テストの 10 秒後に値が報告されます。

2 つの VM を作成し、SSH 経由で iperf をインストールします。

問題が発生した場合のトラブルシューティング

注: これはラボの手順の一部ではありません。
  1. ローカル ネットワーク用のトンネルを作成する際に [MY_SECRET] を "sharedsecret" に置き換えるのを忘れた場合。

作成した VPN トンネルを次のコマンドで削除できます。

gcloud compute vpn-tunnels delete [tunnel-name] --region [region]
  • [tunnel-name] は、トンネルの名前に置き換えます。
  • [region] は、トンネルの作成時に指定したリージョンに置き換えます。
  1. 「単一の VPN の負荷テスト」の手順で問題が発生する場合は次のようにします。
  • 両方の VM に iperf がインストールされていることを確認します。

  • 接続拒否エラーが発生する場合は次のことを確認します。

    • 作成したネットワーク用のファイアウォール ルール(tcp:5001)
    • サーバーが on-prem-loadtest で正常に実行されている
    • cloud-loadtest 経由でサーバーに接続しようとしている
  1. コンソールで作成した転送ルールを確認する場合:
  • [ナビゲーション メニュー] で [ネットワーキング] セクションに移動します。
  • [ネットワーク接続] > [VPN] の順にクリックします。
  • [Cloud VPN ゲートウェイ] をクリックして [Cloud VPN ゲートウェイの詳細] ページを表示します。

お疲れさまでした

クエストを完了する

これらのセルフペース ラボは、「ネットワークのパフォーマンスと最適化」と「セキュリティとアイデンティティの基礎」クエストの一部です。クエストとは学習プログラムを構成する一連のラボのことで、完了すると成果が認められて上のようなバッジが贈られます。バッジは公開して、オンライン レジュメやソーシャル メディア アカウントにリンクできます。このラボの修了後、このラボが含まれるクエストに登録すれば、すぐにクレジットを受け取ることができます。受講可能な全クエストについては、Google Cloud Skills Boost カタログをご覧ください。

次のラボを受講する

Cloud CDN」に進んでクエストを続けるか、以下のおすすめのラボをご確認ください。

次のステップ

Google Cloud トレーニングと認定資格

Google Cloud トレーニングと認定資格を通して、Google Cloud 技術を最大限に活用できるようになります。必要な技術スキルとベスト プラクティスについて取り扱うクラスでは、学習を継続的に進めることができます。トレーニングは基礎レベルから上級レベルまであり、オンデマンド、ライブ、バーチャル参加など、多忙なスケジュールにも対応できるオプションが用意されています。認定資格を取得することで、Google Cloud テクノロジーに関するスキルと知識を証明できます。

マニュアルの最終更新日: 2024 年 1 月 10 日

ラボの最終テスト日: 2024 年 1 月 10 日

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